nexacro特別コラム連載2:「既存システムに手を入れない“モバイル化”」
日本ネクサウェブの“インフォメーションアグリゲーション・ソリューション”
ネットはいつでも接続できるとは限らない
機器の不調、不感地帯、・・・
これは、Aさんの仕事での失敗談です。Aさんは日本全国を忙しく飛び回るIT業界の営業マンで、今日も今日とて札幌の見込み顧客B社を訪問しようとしていました。B社は3年ほど前に一度受注した顧客ですが、その後アプローチをかけても音沙汰がない状況でした。今回、久しぶりに連絡があり、関係を深めるには絶好のチャンスです。
前日遅くまで他の案件で忙殺されていたAさんは、B社を訪問する直前の時間を利用してノートPCから社内の営業情報システムにアクセス、これまでの商談経緯を思い出そうと考えていました。ところが、その日に限ってポケットWiFiの調子が悪く、何度リセットしてもノートPCを認識しません。Aさんはしかたなく、3年前の記憶を一生懸命たどった上でB社を訪問しましたが、前回案件が進行した年月日や提供したサービスの当時の価格を先方から尋ねられたとき、しどろもどろになってしまいました。その場は何とかしのいだものの、Aさんはネットがつながっている前提での業務姿勢を大いに反省しました。
これとは別の企業課題もご紹介しましょう。医薬品業界のC社は、企業風土として“機動力”を重視しています。とくにMRと呼ばれる医療情報提供担当者には最新鋭のモバイルデバイスを配布して、彼らが医療情報をできるだけ容易に取得できるよう便宜を図っています。それとともに、さまざまな社内業務手続もモバイルデバイスから可能にし、MRが無駄に営業時間を浪費しなくてもいいようにしようとしていました。
しかし、その動きに待ったをかける業務システムがありました。同社では出張旅費精算を行うWebアプリケーションベースのパッケージシステムを使っていたのですが、開発元にモバイルデバイス対応を要請しても、はっきりした答えが返ってきません。そのためにかかる大きな開発コストを前にして、二の足を踏んでいるようです。いっそパッケージをそっくりリプレースするか。最悪そうしてもいいとC社は覚悟しましたが、もっと簡単な解決策がないものか、とも考えていました。
ネットワークの向こう側にある業務システム上の情報を、手元のモバイルデバイスからいつでもどこででも参照・更新したいというニーズは、様々なアプリケーションに対して共通にあります。私たち日本ネクサウェブ自身がそうでした。困ったあげくに自社製品を使って解決した例を、ここでは披露したいと思います。
当社では、自社開発のWebアプリケーションべ―スのグループウェアを使っています。そこで社員のスケジュールを共有しているのですが、モバイルデバイス対応はされていませんでした。しかし、商談時にスケジュールを確認したい場面が発生します。先方が「COOに会いたい」「担当エンジニアと細かい相談をしたい」とおっしゃったとき、いちいちノートPCを立ち上げて彼らのスケジュールを調べていたのでは時間がかかります。話を続けながらスマートフォンでさっと調べて「○○日でいかがですか」と即決したいと考え、4週間先までの全社員スケジュールが参照できるスマートフォン用アプリケーション機能を追加しました。
これを作ったおかげで、「後で調べてお返事します」という対応がなくなりました。その場その場で話を決められるので、商談を早く前へ進められます。スピード経営の時代、といわれますが、このような日々のオペレーションスピードの加速こそが、最も重要なのではないかと実感しています。
nexacro platformと“インフォメーションアグリゲーションツール”「X-POP」が解決
「そうはいっても、御社はIT企業だから開発はお手のもので、実現できるのは当然」とおっしゃるかもしれません。いえ、当社でもガリガリとコードを書いたわけではありません。
当社のOSMU対応のプラットフォーム nexacro platformに、当社のインフォメーションアグリゲーションツール X-POPを導入しただけです。
X-POPは、“スクレイピング”というテクノロジーを用いて、Webサイト上のタグを分析し、求める情報を抽出する製品です。そのため、既存システムに手を入れる必要はまったくありません。また、求める情報の指定もX-POP Developerという開発ツールによりGUI画面で行えるため、ひととおりの研修を終えれば技術者でなくても担当することができます。
求める情報の抽出は、動的にも、静的にも行えます。ネットワーク接続時にオンデマンドで情報を照会することもできれば、ネットワークが接続できない場合に備えて事前に情報を抽出し、オフラインで参照することも可能です。ですから、Aさんのようなモバイルワーカーの場合、定期的に情報を手元のデバイスにダウンロードする設定にしておけば、必要なとき、ネットワーク接続の状態を気にすることなく、いつでもどこでも情報を参照できるというわけです。
ベンダーロックインからの解放も実現
一方、既存システムに手を入れる必要がないということは、これがパッケージシステムであってもいいということを意味しています。C社の場合、パッケージベンダーが尻込みしても、X-POPを導入することで、独自に出張旅費計算システムのモバイル対応が可能になります。スマートフォンやタブレット端末、PCもWebブラウザの種類に縛られたくない、モバイルデバイス向けにUI/UXを最適化したいというのであれば、nexacro platformをプラットフォームにすることで、さらに自由度が広がります。ベンダーロックインからの解放でさらに“機動力”を上げたいという企業にとっては、恰好のソリューションといえます。
これは、パッケージベンダーにとっても大きな力になります。自らプログラムソースに手を加えてモバイル対応しようとすれば、相当な開発コストがかかる上に、その後複数のプログラムソースや異なるスキル人材をずっと維持し続けなければなりません。しかし、モバイル対応をnexacro platformとX-POPに任せてしまうことで、自社のエンジニアは根幹のプログラムを進化させることに専念できます。
手間をかけずにサクっと情報取得スピードを上げるなら、nexacro platformとインフォメーションアグリゲーションツールX-POP。ぜひ一度ご検討ください。